ノンカイ=ヴィエンチャン間鉄道事業

2000年1月掲載

交通インフラ事業プロジェクト

《概要》
タイ=ラオス友好橋に沿って、ノンカイ=ヴィエンチャン間に鉄道を建設し、民活事業で運営しようと言うプロジェクト。将来は雲南省からタイ湾までを結ぶことを計画していた。

《経緯》
■1994年5月
タイ=ラオス両国間で、友好橋に沿って30キロの鉄道建設のアイデアに原則合意。最初の鉄道リンクの建設コストは9億バーツの見込み

■1994年6月3日
英国政府とタイ・Sahaviriya OA社の子会社であるPacific Transportation Co.,Ltd.(Mr.Jack M.C.Hu-President)間で協議書締結。英国政府がF/S(経済面・環境面)の約4割を支援するというもの。F/Sコストは約20百万バーツの見込みで残りは民間2社で折半負担
British Minister for Trade Richard Needham氏が立会い。同時にSahaviriya OA Holding Co.,Ltd.とBalfour Beatty Ltd(英国)(Lain Thomas社長)間で、タイと近隣諸国でのインフラプロジェクト建設に関するMOUを締結。
英国のEngineering Consultants WS Atkins InternationalLtd.とTransmark CompanyがF/S担当予定

■1996年2月16日
バンコクにおいて両国間で協力アグリーメントが締結された。プロジェクト推進には、更に、両国政府の正式承認が必要。

■1999年2月7日
Pacific Transportation社とラオス政府との合弁会社であるLao Railway Transportation Corp (資本金は16百万USドル。LRT 75%:ラオス政府25%)は、1998年にラオス政府からラオス国内での鉄道ネットワークを建設する事業免許を取得(オペレーション期間は30年間)

■1999年4月
パシフィック・トランスポーテション社は、1999年半ばにも、ノンカイ=ビエンチャンを結ぶ鉄道路線の建設工事に入る予定と発表。最初に建設されるのは、14キロの区間で、総工費は12億バーツに上るといわれる。
中国あるいはイタリアの会社を選定して鉄道を建設予定

■1999年8月
両国政府は、両国を結ぶ初の鉄道建設事業を一時中止することに同意。経済危機による財源不足と、鉄道建設予定地でホテルなどの事業需要が減少したことが主因とPacific Transportation社は説明。

●タイ=ラオス友好橋
タイとラオスを結ぶメコン河に架かる橋。ノンカイとヴィエンチャンをつなぐ。1989年オーストラリア政府が無償供与を決定。工事は19991年11月に着工し、1994年4月8日に完成し開通式が行われた。

関連記事

おすすめ記事

  1. メコン圏を舞台とする小説 第50回「バンコク喪服支店」(深田祐介 著)

    メコン圏を舞台とする小説 第50回「バンコク喪服支店」(深田祐介 著) 「バンコク喪服支店」(…
  2. メコン圏対象の調査研究書 第29回「日本をめざしたベトナムの英雄と皇子 ー ファン・ボイ・チャウとクオン・デ」(白石昌也 著)

    メコン圏対象の調査研究書 第29回「日本をめざしたベトナムの英雄と皇子 ー ファン・ボイ・チャウとク…
  3. メコン圏現地作家による文学 第16回「田舎の教師」(カムマーン・コンカイ 著、冨田竹二郎 訳)

    メコン圏現地作家による文学 第16回「田舎の教師」(カムマーン・コンカイ 著、冨田 竹二郎 訳) …
  4. メコン圏の写真集・旅紀行・エッセイ 第31回「メコン川物語 ー かわりゆくインドシナから ー 」(川口 敏彦 著)

    メコン圏の写真集・旅紀行・エッセイ 第31回「メコン川物語 ー かわりゆくインドシナから ー 」(川…
  5. メコン圏を描く海外翻訳小説 第18回「ヴェトナム戦場の殺人」(ディヴィッド・K・ハーフォード 著、松本剛史 訳)

    メコン圏を描く海外翻訳小説 第18回「ヴェトナム戦場の殺人」(ディヴィッド・K・ハーフォード 著、松…
  6. メコン圏が登場するコミック 第23回「密林少年 ~Jungle Boy ~」(著者:深谷 陽)

    メコン圏が登場するコミック 第23回「密林少年 ~Jungle Boy ~」 (著者:深谷 陽) …
  7. メコン圏と大東亜戦争関連書籍 第8回「神本利男とマレーのハリマオ マレーシアに独立の種をまいた日本人」(土生良樹 著)

    メコン圏と大東亜戦争関連書籍 第8回「神本利男とマレーのハリマオ マレーシアに独立の種をまいた日本人…
  8. メコン圏題材のノンフィクション・ルポルタージュ 第31回 「アキラの地雷博物館とこどもたち」(アキ・ラー 編著)

    メコン圏題材のノンフィクション・ルポルタージュ 第31回 「アキラの地雷博物館とこどもたち」(アキ・…
  9. メコン圏関連の趣味実用・カルチャー書 第10回「ベトナム雑貨と暮らす Vietnamese Style」(石井 良佳 著)

    メコン圏関連の趣味実用・カルチャー書 第10回「ベトナム雑貨と暮らすVietnamese Style…
ページ上部へ戻る