「シャン州東部(チェントン・モンラー)旅行記」(森 博行さん)第1編「チェントン到着までの途」

シャン州東部(チェントン・モンラー)旅行記」(森 博行さん)
第1編 チェントゥン到着までの途

森 博行:
京都府京都市在住(寄稿時)。ビルマ(現ミャンマー)シャン州を訪れる(2002年4月)。「消え去った世界 ~あるシャン藩王女の個人史」(ネル・アダムス著、森 博行 訳、文芸社、2002年8月発行)訳者

第1編:チェントゥン到着までの途
第2編:チェントゥン到着初日
第3編:チェントゥンの市場
第4編:博物館と寺院
第5編:チェントゥン郊外の山岳民族
第6編:中国国境の町モンラーへの道
第7編:モンラーの町と中国とのかかわり
第8編:モンラーからタチレークを経てタイへ出国

2002年4月18日夕、バンコクに到着。翌19日、朝からサトーン通りの在バンコクミャンマー大使館に出向いてツーリストヴィザ申請。

写真:在バンコクミャンマー大使館VISAセクション

ミャンマーツーリストヴィザは、翌日発給で810バーツ(約2500円)、別に数百バーツ出すと当日午後発給も可能。午後、アジアブックスとの会見予定があるので、月曜日午前受け取りにする。トゥクトゥク(三輪タクシー)で、シーロム通りのタイ航空オフィスに移動。4月23日朝のバンコク発ヤンゴン行き(TG303 BKK08:15-RGN09:05)のチケットを買う。戻りは30日にして、往復7800バーツ(約24000円)。マンダレー航空よりe-mail回答(インターネット上の応対はパリ事務所)で、直近のため23日予約手続きできず、直接ヤンゴンオフィスに電話を入れてくれとある。バンコクから電話するが、回線の状態が悪い。結局、最近のヤンゴン出発時刻は07:00になっているということで乗り継ぎ不可。

(2002年)4月21日、バンコク国立博物館、入って左手、タイの歴史のコーナーは改装中。ドヴァラヴァティー・シュリヴィジャヤのセクションは変化無し。紀元前のバーンチァン遺跡(タイ東北部、彩色紋様土器)の部屋も改装中で、ドンソンドラム(紀元前の祭祀用と見られる青銅鼓、製作の中心は中越国境付近とされ、東南アジア各地で出土する)を一緒に展示する様子。

4月22日、ミャンマー大使館でヴィザ受領。4月23日、TG303でラングーンへ。乗客は少ない。飛行ルートは、カンチャナブリからモールメインへと、紀元前後からのシャム湾からアンダマン海への交易ルート(ローマ時代の燭台、インド産の装飾ビーズ類など出土する。泰緬鉄道もこのルート)。モールメイン上空で、雲の切れ間からサルウィン河口部が見える。
写真:ミンガラドンの外


ヤンゴン、ミンガラドン空港に9時前(時差バンコクより30分有り)に着陸。周囲の風景は、タイのチャオプラヤ河口部とそう変化は無い。空港施設は更新されていず、地方空港レヴェル。飛行機の姿も少なく、国内線のプロペラ機(ほとんどATR72型)が数機。全て駐機場でタラップ使用、バス移動。バスは日本製の中古車両で、空港リムジンや私鉄バス会社の塗装のまま。到着はこの便だけで、入国手続きは並ばずに済む。外貨兌換券両替はUS$200。あたりを探すが旅行会社のカウンターばかりで、国内線の窓口らしいものは無い。手荷物だけなので、空港の外の道路を歩いて国内線ターミナルに移動。このあたりの雰囲気は、旧英領植民地のにおいがある。空港の建物は中央に管理施設と政府関係の使用部分があり、国際線到着から国内線出発まで端から端まで約10分歩く。
写真:国内線ターミナル

とにかく国内線出発の建物に行くと、入口で航空券と身分証を確認している。外国人であることを示し、中でチケットを買うからと入る。航空会社の窓口やチケットカウンターは無く、チェックインカウンターだけがある。出発標示を見ると、10時30分発でヤンゴン・ヘホー・マンダレー・タチレーク・チャイントン行きが有る。ヤンゴン航空のチェックインカウンターで、搭乗できるか交渉。空席は有るが、チャーター便なので旅行社に確認する間待ってくれとのこと。空港施設は、数十年の時間が止まったままのような状態。搭乗OKで、US$121をFCU(兌換券)で払う。乗れなければヤンゴンで一泊するつもりだった。
写真:ヤンゴンエアーのカウンター

写真:国内線待合室

搭乗予定の便は定時出発。客席は半分ほど埋まっている。プロペラ機なので、地上が観察できると期待したが、薄靄がかかったうえに窓ガラスには細かい傷がいっぱいで、地表はほとんど見えず。約一時間半で、ヘホー到着。山間盆地に入って高度を下げると、高台に町が見える。赤土の乾燥した地面が近づき、着陸直前水田が少し。鉄道線路を越して着陸、滑走路の舗装は痛んでいて、砂が被っている。数人が乗り降りしただけで、約15分で離陸。
写真:マンダレー新空港

地上の様子はよく見えないが、山脈を越して飛行40分ばかりでマンダレー到着。この空港は新しいターミナルが造られ、ジェット機が着けられるフィンガーが並んでいる。ここで乗客が増え、ほぼ満席になる。ヤンゴンから乗っている華人系と見える客に、マンダレーから乗り込んで来たビルマ人が知り合いらしく合流したが、商売仲間か?更に一時間半ほど飛んで、タイ国境のタチレーク。山間のかなり狭い盆地に進入する。山肌に、山地民の村と焼畑地が見える。細い川とその周辺に町が見えたのがタイ国境か?滑走路も空港ビルも新しい。ほとんどの客が降りる。ヤンゴンから乗っていたインド系の数人も降りたし、マンダレーで合流したビルマ人と華人の組も降りたから、やはりこの町でタイからの商品を仕入れるのか?替わって乗り込む客は、かなり荷物を持っている。
写真:タチレーク飛行場

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