- Home
- メコン圏関連の趣味実用・カルチャー書, 書籍紹介
- メコン圏関連の趣味実用・カルチャー書 第1回「ぐるッとアジアごはん天国」(11人のアジア料理大好き研究会 著)
メコン圏関連の趣味実用・カルチャー書 第1回「ぐるッとアジアごはん天国」(11人のアジア料理大好き研究会 著)
- 2001/9/13
- メコン圏関連の趣味実用・カルチャー書, 書籍紹介
メコン圏関連の趣味実用・カルチャー書 第1回「ぐるッとアジアごはん天国」(11人のアジア料理大好き研究会 著)
「ぐるッとアジアごはん天国」(11人のアジア料理大好き研究会 著、2000年8月発行、青春出版社)判型4-6変型 ページ数184
アジア好き、旅好き、料理好きという女性ばかり11人のグループの手によるアジア料理紹介本。執筆者たち以外の編集者やイラストレーターも、アジアフリークの旅好き、料理好きで、みんなで紹介料理の試作も行なったという、いかにも賑やかで楽しそうな人たちの作品だ。
かわいくて心が和むイラストの表紙カバーに加え、片手で持って読めるハンディなサイズであるためか、ついつい手にとり何度でもぱらぱらと読んでしまう。おおのきよみさんのイラストは、表紙カバーだけでなく、各レシピ紹介、さらにはカラー口絵「おおのきよみのごはん紀行」にもふんだんに掲載されている。
本書の「はじめに」にも書かれている通り、本書の企画目的は、”旅で覚えたあの味を、家でも作ってみたい。友達にも教えてあげたい。でも、エスニック料理の本を見ても、難しいハーブの名前がたくさん並んで、どこで材料を買ったらいいのかわからない。しかも手順がいっぱいあって、とっても難しそう。キッチンに立つ前にあきらめてしまいます。そんな思いを解決したくて、おいしいものと旅が大好きな私達は、あの味を、近所のスーパーに行けば手に入る材料で再現してみることにしました。・・・・”というもの。
タイ、ベトナムをはじめとするアジア15カ国の料理のレシピ65種類が紹介されているが、気をてらった料理ではなく、日本で手に入る食材だけで簡単に作れるおいしい代表的な料理ばかりが取り上げられている。見開き2ページで一つの料理を紹介しており、レシピ以外に楽しく読めるコラム、各種評価データ、ひとくちメモ、雑学エスニックなどが、かわいいイラストとともに掲載されている。最も、もっと本格的な、本場の味を楽しみたい、という方のために、コラム記事「威風堂々エスニック」も3編用意され、ここでは、材料やスパイスは現地で使うものを利用して、より本場の味に近づけるレシピとなっている。
更に巻末には、付録として、日本で食材を扱うデパート・大型店や主要都市の専門店、地方在住者のためのインターネットでの食材注文先情報、エスニックハーブの育て方なども紹介しており、コンパクトなサイズの本ではあるが、親切で実用的な情報が満載だ。
尚、本書でも”デザート”として6点紹介されているが、本書の出版元と同じ青春出版社から、アジアの「おやつ」だけを取り上げた書籍が、同じようにアジア好き、旅好き、料理好きの女性グループ7名により、この度(2001年8月)『おうちでアジア「おやつ」』として刊行された。本書のアジア料理大好き研究会スタッフ中、6名(宮崎真子さん、大矢かおりさん、市村澄香さん、牛嶋直美さん、宮田あやめさん、おおのきよみさん)が同じようにこの書籍の執筆を担当している。
本書の目次
口絵 おおのきよみのアジアごはん紀行
はじめに■サラダ 極彩色とヘルシーをたっぶり!
ライタ インドの代表的なヨーグルトサラダ(I) インド
カドカド 温野菜のピーナツソースサラダ(I) インドネシア
ゴイ・カー・フエ フエ風白身風のピリ辛サラダ(T) ベトナム
サーラーデ・シーラーズィ シーラーズ風サラダ(T) イラン
ヤムヌア タイ風牛肉と野菜のサラダ(S) タイ
ヤムウンセン タイ風春雨サラダ(S) タイ
ソムタム ニンジンのソムタム風サラダ(M) タイ
ラープ ひき肉といり米の東北風サラダ (M) タイ
ホゲ カッテージチーズとダイコンのサラダ (Y) ブータン
●<コラム>「おいしい」を演出する道具 素焼きのすり鉢(M) タイ■スープ & なべ 情熱エスニックはこれでなきゃ!
ラッサム 南インドのカレースープ (I) インド
バクテー スペアリブの煮込みスープ (I) マレーシア
砂鍋雲呑鶏 青梗菜入り雲呑と丸鶏のスープ (N) 中国(杭州)
ミヨックッ 牛肉風味のワカメたっぷりスープ (N) 韓国
トムカーガイ ささみ肉とキノコのココナツスープ (M) タイ
■威風堂々エスニック① トムヤムクン (S) タイ
芫茜皮蛋明湯底 香港風変わりシャブシャブ(夏向きスープ)(N) 香港
タイスキ タイのしゃぶしゃぶ風鍋もの (M) タイ
●<コラム>「おいしい」を演出する道具 煮込み/かくはん用の壺 (T) イラン■ごはん&麺&パン ピリ辛や甘味で食欲シャキッ!
カードライス スパイス風味のヨーグルト混ぜごはん(I)インド
ナシゴレン インドネシアの炒めごはん (I)インドネシア
タコライス 沖縄発タコスのっけごはん (I) 沖縄
蛋白瑶柱炒飯 卵白と干し貝柱・チャーシュー入り炒飯 (N) 中国(広東)
ビビンパプ 土鍋焼き・ヘルシービビンパプ (N) 韓国
フェセンジャーン 鶏肉のザクロとクルミ煮込み (T) イラン
カーオマンガイ 鶏スープの炊き込みチキンライス (M) タイ
カーオクルッガピ エビみそ風味の混ぜチャーハン (M) タイ
カーオパッ(クン) エビ入りタイ風チャーハン (A) タイ
マグルーバ ナスとジャガイモ、鶏肉のスパイシーごはん(T)ヨルダン
羗葱撈麺 ネギとショウガ入り混ぜ麺 (N) 中国(広東)
ゴリルタイホール 羊肉うどん (T)モンゴル
フォー・ガー ベトナム風モヤシ入り鶏肉うどん (T) ベトナム
カノムチーン 魚カレースープのそうめんがけ (M) タイ
パッタイ タイの焼きビーフン (M) タイ
チャパティ インドの全粒粉うす型パン (I) インド
●<コラム>「おいしい」を演出する道具 炊飯器で使える蒸し器 (N) 香港■カレー&おかず 暑さも寒さも吹き飛ばす快感!
チキンマサラ チキンカレー (I) インド
フィッシュ・マサラ 南インドの魚カレー (I) インド
プラウン・マサラ エビのマイルドカレー (I) インド
■威風堂々エスニック② チキン・マサラ (I) インド
ケーンキヨワーン グリーンカレー (S) タイ
ポリヤル ジャガイモと玉ネギのスパイス炒め (I) インド
フィッシュマサラフライ 魚のスパイス焼き (I) インド
アドボ 豚バラ肉と鶏手羽のこってり煮込み (I) フィリピン
龍井蝦仁 龍井茶とエビの炒めもの (N) 中国(杭州)
百花豆腐 豆腐のエビ詰め蒸しショウガあんかけ (N) 中国
バインセオ ベトナム風お好み焼き (T) ベトナム
トゥミス・タフ・ダントゲ 厚揚げとモヤシの炒めもの (T) インドネシア
パッキンガイ 鶏肉とショウガの炒めもの (S) タイ
ペッサッ 酸っぱ味のまるごと魚の姿煮鍋 (M) タイ
らふてぃ 豚バラ肉とダイコンの泡盛煮込み (M) 沖縄
ゴーヤチャンプルー ニガウリの炒めもの (M) 沖縄
●<コラム>「おいしい」を演出する道具 取っ手なしのお鍋 (K)インド■おつまみ 百花繚乱のセンスでカンパイ!
タンドリーチキン(風) インド風鶏のスパイス焼き(I)インド
サモサ スパイシー・ポテトの包み揚げ (I) インド
サテ インドネシア風スパイシー焼き鳥 (I) インドネシア
カウリー・タルカリ カリフラワーのスパイス炒め (K) ネパール
ムラ・コ・アチャール ダイコンのネパール風漬けもの (K) ネパール
パジョン ニラとネギ、アサリ入り韓国風お好み焼き (N) 韓国
ボーズ モンゴル
ガンビル モンゴル風小麦粉と砂糖のパイ (T) モンゴル
ゴイ・クォン ベトナム風エビ入り生春巻き (T) ベトナム
チャー・ゾー ベトナムの揚げ春巻 (T) ベトナム
トッポッキ 韓国もちの甘辛コチジャン焼き (C) 韓国
ガイヤーン タイ屋台風スパイシー焼き鳥 (M) タイ
■威風堂々エスニック③ ガイ・パップリック・バイカプラオ (M) タイ
●<コラム>「おいしい」を演出する道具 刃を固定した包丁 (K) ネパール■デザート アジアの甘味の極楽をどうぞ!
緑豆爽 皮なし緑豆のさっぱりお汁粉 (N) 中国(香港)
トンパラッ ショウガ風味の白玉団子 (N) 中国(香港)
バイダナム もち米のココナツミルク炊き (T) カンボジア
カーオニオマムアン マンゴーともち米のココナツミルクがけ(S)タイ
ナムガティー タイのココナツミルクがけぜんざい(M) タイ
チェー・メー・デン 黒ゴマのぜんざい (O) ベトナム■ドリンクアラカルト
パーティドリンクのヒント(各国別お茶&コーヒー)●アジアな食卓の役者達 おおのきよみ
付録
大型店・専門店別、日本でスパイスを扱う店
育てて楽しいエスニックハーブ
旅先で買うならこのスパイスがおすすめ
国別さくいん
スタッフ紹介
11人のアジア料理大好き研究会 スタッフ紹介(順不同・敬称略)(本書・付録「スタッフ紹介」より)
■おおの きよみ
アジア大好きイラストレーター。旅先での忘れられないあの味を手軽に再現できる喜びを知り感激の日々。イラスト満載のHP運営中。「asian cafe」●山田 静(やまだ・しずか)【編集・ブータン担当。本文中(Y)】
不器用な自分でもおいしくできるメニューを、と目論んで本書を企画、予想以上の成果に大満足の編集者。旅好きな女の子を集めた「ひとり旅活性化委員会」(専用掲示板)を主催。●宮崎 真子(みやざき・まこ)【タイ・沖縄担当。本文中(M)】
アジアをせわしなくうろちょろすること十数年。目的は様々なれど、いつもスーパーで現地食材スパイスを買い込むのは忘れない、正宗九州人。
★宮崎さんからの著者特別コメント
アジアを心身ともに日常化する行動の一環として、私には十数年来、各地での市場、スーパー探検が旅の終わりには(そして帰国後の味の再現)欠かせないものでした。アジアに行って癒されたい、脱日常しようと考えるのは、何か日本(人)がアジアからはずされてるか、どこかかの地を「お気軽に」考えている証左では?各地の味>文化>味覚・滋養で育った人々の心を理解する、ひとつの誠実で注意深く、そしておいしく楽しい方法論の手助けとして、この二つの本(「おうちでアジア「おやつ」(青春出版社、2001年8月)と、本書)に参加しました。亜州ご飯についてのDV映像作品も構想中、、、、”●宮田 あやめ(みやた・あやめ)【タイ・付録担当。本文中(A)】
タイ人にタイ料理を教えてもらいながら、レパートリーを増やしている。ただいま、カボチャを丸々使ったココナツカスタードを練習中。共著に『ハッピー・バンコク』(双葉社)他。●下川 優子(しもかわ・ゆうこ)【タイ担当。本文中(S)】
東京生まれ。出版社勤務のあと専業主婦になる。タイ好き夫の影響で、タイ料理に開眼。家族でバンコク居住経験もある。激辛にはめっぽう強い。●大矢 かおり(おおや・かおり)【ベトナム担当。本文中(O)】
料理と芸術をこよなく愛する料理講師。フランスで出会ったベトナム料理がきっかけで、ベトナムの「Nha Van Hoa PHU nu」で料理を修得後、他のさまざまな味も学び、現在もその探究心は続いている。●多賀谷 浩子(たがや・ひろこ)【ベトナム・モンゴル・ヨルダン・イラン他 担当。本文中(T)】
モンゴルに行けばモンゴル人に、ベトナムに行けばベトナム人に間違えられる、なぜかモンゴル語を操るアジア好きライター。料理については完全な思いつき派だが、本書のレシピは現地の方の折り紙つき。●牛嶋 直美(うしじま・なおみ)【中国・韓国担当。本文中(N)】
香港の家庭に1年3ヶ月居候、広東語はあまり上達しなかったが、メニューは全部読めるようになった。いまも年数回は食材の買い出しに出かける。ホームページで日々出会ったおいしいものをお知らせ中。●市村 澄香(いちむら・すみこ)【インド・インドネシア・沖縄他担当。本文中(I)】
レストランのメニューブック作り、レシピ作成、海外食べ歩きイラスト日記など「食べる」をテーマになんでもおいしくいただくフードライター。●伊藤 かおる(いとう・かおる)【ネパール担当。本文中(K)】
ネパールのカトマンズに7ヶ月滞在。食のバリエーションの少ないこの地で、「素朴な食べ物」の旨さに開眼す。冬場はショウガ入りのチャイを毎日かかさず飲んで、風邪しらず。●高須 千春(たかす・ちはる)【韓国担当。本文中(C)】
単なる旅好き、料理好き。地元の人の迷惑顔をものともせず、行く先々で食べた料理のレシピをしつこく聞きまわる。帰国後の実践で、なぜか和風テイストが混在してしまう現状に苦悩中。