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「CAMBO.DEAR (親愛なるカンボジア)」(youmeさん)第10回「キャピタル物語 『友好的宿屋の主』Friendly Inn Keeper ホー・リナ」
- 2003/5/10
- CAMBO DEAR(親愛なるカンボジア)(youmeさん), フォトギャラリー
「CAMBO.DEAR (親愛なるカンボジア)」(youmeさん)第10回「キャピタル物語『友好的宿屋の主』Friendly Inn Keeper ホー・リナ」
「今、バンコックにいるんだよ。さっきからずーっと電話をしてるんだけど、電話が繋がらないんだ。ひょっとして電話番号が変わったの?」と、メールを受け取ってびっくりした。友人リナからだった。彼が友人と共に休日を楽しむ為に、大都会バンコックへやって来たのは昨年の話。
「それにしても、バンコックは自由でいいね。こんな格好で歩いても平気なんだから」と中華系クメール人である彼は色白で、Tシャツに短パンにスニーカーというカジュアルなスタイルでバンコック観光を楽しんでいた。
プノンペンでは、いつもシャツにズボンの彼が言うには、カジュアルな格好でプノンペンをうろついたりでもした日には「気でも狂ったんではないか?」という目で見られるのだと言う。短パン姿の彼をはじめて見たが、色白の彼の二の足が白いタイツをはいているかの様に見えて、思わずからかってしまった程である。
(写真:バンコックの自宅に遊びに来てくれたリナ)
彼はプノンペンの老舗キャピトルゲストハウスを経営する一族の一員である。カンボジアで元祖ゲストハウスと言えば『キャピトル』。バックパッカーのほとんどが最初はここにお世話になるはず。今でこそ、プノンペンでの宿の選択肢は増えたが、それはここ数年の話。
彼と初めて出会ったのは97年。市内でクーデターが起きて間もなくの頃だった。キャピトルゲストハウス2の受け付けにいた彼には、当時から大変お世話になっている。プノンペンにいると、彼はじっとしている様に見えても働いているので、あまりのんびりと話した事もなく、キャピトルゲストハウスの事などいい機会だからじっくりと聞いてみる事にした。
彼の叔父にあたるソピィアップさんがキャピトルゲストハウスの創始者で、80年代初め、『キャピトル』は地元客相手のレストランだった。そこにある時、欧米人のバックパッカーが食事に入った時の事、ソピィアップさんは、初めての外国人客を喜んでもてなした。話は弾み、「下にレストランがあるんだし、ゲストルームを作ったらどうですか?」と彼らから提案されたと言う。
それがきっかけとなり、レストランの上のアパートを改築してキャピトルゲストハウス1が誕生。当初は8室からのスタートだったのだそうだ。提案者の欧米人客が宿泊する様になり、彼らがまた他の客を連れて来て、ゲストハウスビジネスが軌道に乗り、少しずつ規模を拡張していった。
そして現在、キャピトルゲストハウスは1,2,3まであるし、バイク・自転車レンタル、インターネットショップ、ツアーサービスと年々新しいビジネス分野への進出もしている。
リナ自身は結婚を機にキャピトルビジネスと関わる様になるのだが、1990年、彼はロシアに留学していた。7年間の留学生活を送る事になっていたはずが1年で帰国。帰国前から家族に決められていた結婚相手と91年に結婚。当時まだ22歳だったと言う。
「古いしきたりで、僕の父も若くして結婚した。親に習うのが良い子だという昔からの習慣なんだよ」
その結婚相手の女性がキャピトル一族のお嬢さんだった訳で、婿入り後(カンボジアでは男性が結婚相手の女性の家に入る)、ビジネスに参加。それから全てを学んだという。10年以上経験を積み、最近ではインターネットショップを成功させ、次なる未来の夢があると言う。自身のアパートを改築してゲストハウスを作る計画をしている。最初は15部屋位から始め、名前もすでに候補があるそうだ。すでに成功を収めたインターネットショップ名『フレンドリー』が縁起がいいので、そんな感じにしようかと言っていた。
カンボジアは観光業に頼らなければやっていけないと言われているが、内戦後にカンボジアを訪れる観光客の数は年々増加している。97年に知り合って、今も付き合いのある友人を見ていると、そのほとんどが観光に関わる分野で成功を収めつつある。「観光」と言う事業がいかにカンボジアにとって大事なのかが身近に感じられる。今年中にリナの『フレンドリーゲストハウス』に宿泊出来る日が来るかも知れないと思うと今から楽しみだ。
写真と文:youme 2003年5月
Capitol Guest House *文章掲載時情報
No.14AEO, Road 182 Sangkat Beng Prolitt Khann 7 MAKARA Phnom Penh, Cambodia
Tel: 855-23-217627/ 724104 Fax: 855-23-214104
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