メコン圏に関する英語書籍 第8回「Along the Maekhong River & the Cambodian Border」( I.Granot 著)(2)

メコン圏に関する英語書籍 第8回「Along the Maekhong River & the Cambodian Border」( I.Granot 著)(2)


「Along the Maekhong River & the Cambodian Border」( I.Granot 著、Benjawan-Travelling Co.,Ltd.(タイ・ラチャブリ)、1999年発行)

本書は英語で書かれた東北タイ(イサーン)の旅ガイドであるが、サイト別のガイドブックという形式ではなく、車による行程全11日間の旅行記のような形式になっている。詳細なロードマップや80枚のカラー写真が付いている上に、各サイトについての詳細な説明や行程についてもいろんなオプションの説明と目標地点への行き方の詳細説明があり、ハンディなガイドブックとしても有用だ。通常一般のガイドブックには紹介されていないスポットをこまめにカバーしているので、東北タイの有名観光地に飽きた人にも役に立つのではなかろうか?ここでは本書で紹介された行程とスポットを3回に分けて紹介する。

 東北タイ南部を回った後、ウボンラチャタニから、ラオスとの国境を接するメコン河沿いのコンチアムを訪ねる。その後メコン河沿いに北上し、ケマラートから内陸部のコラート平原中心部に移動。イサーンのなかでは観光客が非常に少ないアムナートチャルーン、ヤソトーン、ロイエット、カラシン、サコンナコンと言うルートをたどり、再びメコン河沿いに聖地・タートパノムに立ち寄る。そこからメコン河沿いに北上し、ナコンパノム、更にノンカイへと足を伸ばす。

●行程5日目:ウボンラチャタニ発ー≪国道217号線を東に43km≫ ピブンマンサハーンーコンチアムー≪120km北上≫ ケマラートー≪国道202号線を東に73km≫ アムナートチャルーンー≪国道202号線を東に54km≫ ヤソトーン
●行程6日目:ヤソトーンー≪国道23号線を北東に70km≫-ロイエットー ≪国道214号線を北に47km≫カラシンーサコンナコン
●行程7日目:サコンナコン-≪国道223号線を75km東≫タートパノムー≪212号線を43km北上≫ナコンパノムー ≪212号線を312km北上≫ノンカイ

5日目はウボンでの寺(詳細は右上の補足説明参照)を訪れた後、ピブンマンサハーンを経て、東にラオス国境近くやメコン河地点まで走る。途中ゲーンサプー(ムーン川の早瀬)、シリントンダム、パークムンダム、ゲーンタナ(ムーン川の早瀬)、などの見所があるが、ウボンより100km東にあたるコンチアムは見落とせない。メーナムソーンシー(メコン河とムーン河の色の違う2つの河の流れが合流する地点)、3000年前のものとも言われる先史時代の壁画が200mにわたって広がっている絶壁、キノコ状の奇岩が並ぶサオ・チャリアンが有名だ。その後、ケマラート、アムナートチャルーン(1993年12月1日に新設された県)を経て、ヤソトーンで泊。

ヤソトーンは、5月に開かれるロケット祭りで有名にはなってきたが、この時期以外となると、観光客は極端に少なくなる。6日目はヤソトーンからまずロイエットに向かう。ロイエットの町の中心部にはブン・プラーンチャイと呼ばれる小さな湖があるが、町の東側に聳え立つブラパラーム寺にあるプラプッタラッタナ・モンコンマハムニと呼ばれる立ち姿の仏像が目を見張る。基座部を含めると67.85mという高さだ。カラシンの町から国道227号線を北上。サハットサカン郡の町に入る手前には、サッカワン寺にある恐竜博物館がある。その後はソムデット郡を経て北東へと国道213号を走りサコンナコンを目指す。

サコンナコンは、クメール支配の下で、ノーン・ハン・ルアンと呼ばれた大変歴史のある町で、1938年に現在の名に変わっている。尚、このノーン・ハンの名はサコンナコンの町に広がる大きな湖にその名を残している。このサコンナコンの町から5km離れたところには、11世紀に建立されたとされるナライ・チェーンウェーン遺跡がある。6日目はこのサコンナコンで泊。

7日目は、サコンナコンからは、東にメコン河沿いの超有名な聖地・タートパノムをひたすら目指すのであるが、タートパノムにたどり着く約20キロ手前の地点・ナーケーは、1970年代・80年代に共産主義ゲリラの拠点であったところでもある。聖地タートパノムを訪れた後は、メコン河沿いに国道212号線を43キロ北上。これまたかつてはマルカナコンと呼ばれた大変歴史のある町であるナコンパノムに着くのであるが、この道程では多くのヴェトナム人が野で働く姿を見る事ができる。ナコンパノムの後は、7日目の宿となるノンカイ迄、312kmの距離を車で走ることになる。

●ウボンの主な寺院

ワット・トゥンシームアン
ウボン市内中心部のルアン通りにあり、ラーマ3世時初期に建立。布薩堂内部には、200年以上前のウボンの人々の生活文化を描いた壁画がある。池の中に、美しい三蔵を保管してある建物も有名である。

ワット・ノーンブア
ウボン郊外の国道212号線(ウボンーアムナートチャルン線)約3kmのところから800m西に入ったところにある。この寺には、仏滅2500年を祈念して仏歴2500年(西暦1957年)に立てられた大仏塔がある。この大仏塔は、インドのブッダガヤに模したもの。

ワット・バーンナームアン
ウボン中心市街から約5km離れた空港の北の方向にある。布薩堂が、セラミックで作られた国王座乗船である黄金鳳凰御座船の形を模している。更に寺の入り口も3つの頭を持った大きな象の形になっている。

ワット・スパタナーラーム
ムーン川の北側の岸沿いにあり、ウボン中心市街にある王室寺院。タマユットニカーイ(ラーマ4世がまだ仏門にあったとき戒律のたるみを憂えて1833年戒律を厳格に守る一派として創始)のイサーン地方での最初の寺院として1853年に建立された。ここの布薩堂は、タイ、カンボジア、ヨーロッパ折衷の建築様式であり、またここにはムーン河河口からの考古品が保管されている。

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