メコン圏対象の調査研究書 第28回「入門ナガランド インド北東部と先住民を知るために」(多良俊照 著)

メコン圏対象の調査研究書 第28回「入門ナガランド インド北東部と先住民を知るために」(多良俊照 著)


「入門ナガランド インド北東部と先住民を知るために」(多良俊照 著、社会評論社、1998年9月発行)

<著者紹介>(本書紹介文より。1998年発刊当時)
多良 俊照(たら・としてる)
1969年生まれ。フリーライター。アジア・ライターズ・クラブ(A・W・C)所属。大学卒業後、バックパッカーとして、インドを中心にアジア・ヨーロッパを歩き回る。インドで偶然知った、ナガランドの独立問題に関心を抱き、ナガランドの歴史や独立の経緯を詳しく知るために、インドやイギリスで文献・資料集めに奔走する。帰国後、ナガランドの独立問題やインドの先住民のことが、わかりやすく理解できるようにまとめる。ほかに南アジアやビルマ、中国雲南省の少数民族に関心を持っている。

著者紹介で記されているが、1969年生まれでフリーライターの著者が、大学卒業後、バックパッカーとしてインドを中心にアジア・ヨーロッパを歩き回り、インドで偶然知ったナガランドの独立問題に関心を抱き、ナガランドの歴史や独立の経緯を詳しく知るために、インドやイギリスで文献・資料集めに奔走。ナガランドの独立問題やインドの先住民のことが、わかりやすく理解できるようにまとめられ、社会評論社から1998年9月に刊行された本。本書で扱われている主題は、ナガランドの独立運動で、本書「はじめに」に記されているが、筆者の視点はナガランドの独立の可能性を検証し、またその運動の影響を考察しようとするもの。尚、表紙の写真は、『ナガランドを探しに』(社会評論社、1995年12月発行)の著者・坂本由美子さんによるアオ族の少女の写真が使われている。

本書の構成は、「ナガを知るために」「歴史を知るために」「現況を知るために」と分かれた3部構成に、資料編が付されている。冒頭の「はじめに」で、いくつか断り書きが明記されている。(1)日本ではインドの先住民やナガランドについてまとまった文献、資料は見あたらず、それにナガランドは外国人の出入りが厳しく制限されているため(*本書刊行時)、本書は、イギリスやインドで刊行されている文献、資料に拠るところが大きい。(2)地図を多用(下述の本書掲載地図の概要を見ただけでも、なかなか目にすることがない地図がいろいろあって興味が深まる) (3)本書においては主にインド側とされる地域に居住するナガを扱った。ビルマ側とされているナガに関する記述は非常に少なく、また直接訪問することも非常に困難なため。第二部の現況は1997年時点と断りがある。

本書掲載の地図
<第1章>
・ナガ各部族分布地図
・照葉樹林帯分布地図
・インド北東部とビルマ周辺の地形地図
・インド北東部とビルマ周辺の少数民族分布地図
・インド行政区分地図
<第2章>
・18、19世紀ナガ周辺勢力地図
・20世紀初頭イギリスの世界植民地地図
・20世紀初頭インド帝国地図
・三大宗教アジア伝播地図
・第二次世界大戦までの日本軍南方進攻地図
・日本軍インド進攻及び連合軍反攻作戦地図
・印パ分離時の藩王国・保護国併合地図
・中印国境問題地図
・ナガ居住地行政区分変遷地図
<第3章>
・ナガ政治組織系図
・インド国境周辺民族・宗教問題地図
・インド北東部とビルマ周辺の民族武装組織分布地図

まず、そもそも、ナガについて、ほとんどしられていないこともあり、第1章では「ナガを知るために」として、ナガとは?に始まり、ナガの各部族、ナガの文化、地理、行政区分について説明している。ナガという呼称の指す明確な対象の規定はなく、ナガはいくつもの部族からなり、ナガという呼称も外部から付けられたが、ナガと呼ばれる集団は人種的にはモンゴロイドの特徴を示し、言語的には、シノ – チベット語族、チベット・ビルマ語派、ボドーナガ語群に属し、宗教的には元来アニミズムであったが、現在は大半がキリスト教バプティストに改宗。基本的に居住地は丘陵、山岳地帯であるナガは、独自の生活様式を守り続けてきた民族だが、最近まで首狩りの風習を残していたことは特筆すべき点。ナガの居住する地域をナガランドと呼ぶが、現在インド政府によって作られたナガランド州(1963年12月成立)はそのすべてを含んでいるわけではないことは、誤解してはならない。

第2章では「歴史を知るために」として、ナガについての歴史は、8区分にまとめられている。第1区分は「歴史以前 ナガの起源」で、ナガは自らの文字を持たず、更に外部からの接触もごく限られたものであったために、アッサムの南の山岳部に居住していたナガに関するインドや中国の古代の記録は、はっきりとしたものは残っていない。また、ナガランドのナガの起源については、龍あるいは蛇を意味する「ナガ」との関連性を誤解されやすいが、全く関係がない。第2区分は「前イギリス期 ナガの周辺諸国との関係」で、ナガの居住地の周辺で現在のインドのアッサム州、マニプル州やビルマに、アホム王国、マニプル藩王国、ビルマの各王朝に三方を囲まれてはいたが、それぞれの勢力を寄せ付けず、主に山岳地帯に暮らし、独自の生活を行う。また、ナガの居住地には、モンゴルの元朝もイスラムのムガール朝も直接的な影響を及ぼさず。

第3区分「イギリス期1830年代~  イギリスのインド支配とビルマ併合」、第4区分「キリスト教化19世紀半ば」。ナガはその居住地域の戦略的な重要性の低さと、地形的峻厳さから外部からの交通がほとんど遮断されていたが、1832年に、マニプル=アッサムルート開発のため、イギリスがナガ居住地に俊入し、最終的に1881年にナガ居住地はイギリス統治下に併合される。イギリスのインド支配とビルマ併合が進む時代。イギリスによる植民地化とは異質で、より大きな影響を及ぼしていくのがキリスト教で、19世紀中頃にアメリカン・バプティスト・ミッションが布教を始め、最初のナガがバプティストになったのは1851年とのこと。そして第5区分「第二次世界大戦1940年代前半」で、1942年にインド植民地下のビルマのほぼ全域を占領し、1943年8月にはビルマを独立させ、同年11月には自由インド臨時政府樹立も宣言され、1944年、インド国民軍と共にインド領内部への進攻作戦、インパール作戦を実行し、インドとナガの居住地に日本軍が侵攻する。

そして第二次世界大戦終戦後は、第6区分「NNC 1940年代後半」、第7区分「和平交渉1960年から」、第8区分「NSCN 1980年以降」と3区分される。第二次世界大戦終結後、高まる民族運動と反英運動のやまぬインド独立への動きの中で、1947年8月の連邦内自治領としてのインド独立達成前の1946年には、ナガ民族評議会(NNC)と改称されたナガ人の組織が、イギリスに対し、独自の自治権の要求を行うが、インド独立が早く1947年にはイギリスはインドから撤退し、ナガはインドに編入されることになっていったが、ナガ自身はそれを認めず、インドからの独立運動が展開されていく。インドと中国の国境問題からの中印戦争や中国の動きも、ナガのインドからの独立運動は無縁ではなかった。ナガの中では武力闘争を続ける一方で和平を求める勢力も現れ、1963年、インド16番目の州としてナガランド州が誕生。インド側の譲歩あるいは工作によって作られたナガランド州政府によって、ナガは地域的また政治的に分断されることになり、独立運動を継続していくナガの間でも新たな分裂が起こり、1980年には、ナガランド民族社会主義評議会(NSCN)が成立するなど、ナガランドの独立を求めての抵抗はいろいろと変化を見せながら続いている。

ナガランドを含む照葉樹林に居住する少数民族地帯の政治的現況は厳しく、既に国家の主要な民族に同化してしまったもの、国家の中での少数民族と認められ何らかの権利を保障されているもの、まだ抵抗を続けているものと様々であるが、いずれにせよ、ほとんど顧みられておらず、本書全編を通じて、国家と民族という問題に深く行きあたる。最終章の「第3章 現況を知るために」では、ナガランドの現況とナガランドに関係する国家と少数民族についての概説。まず、ナガランドそのものについては、独立の可能性、治安、闘争の形態、開発についての現況を概説。ナガランドと関係深いインド、インド北東部、もう一つのナガの居住するとされる国のビルマとのそれぞれの関係に加え、ナガの独立を認知する国家は全く存在しないが、ナガの武力闘争を支援した国家、パキスタン、中国、バングラデシュそれぞれとの関係を見ると、複雑錯綜した国際関係に驚く。更に、ネパール、日本、ブータンとナガとのそれぞれの関係についても言及している。

ナガと日本との関係については、日本はその政策上世界各地のマイノリティに対して何らかの考慮を行わずナガの場合も同様。かつてインパール作戦において自らが軍事的な目的のため、工作に利用したナガのアンガミ・ザプ・ピゾは、日本の進攻とイギリスの敗走を見て、日本軍とインド国民軍によるナガの解放を構想し、ピゾはインド国民軍に協力し、スバース・チャンドラ・ボースはピゾにインド国民軍によるインド解放後にはナガの独立を約束。このことを日本が認識していたかどうかは不明であり、ピゾが日本軍と共にどのような行動を行ったかは不明であるが、ピゾは後にNNC(ナガ民族評議会)の議長となり、インドに対して独立を主張する抵抗運動の中心人物だが、ピゾがナガランドの独立を宣言しても、日本は何の反応も起こさず、その後も続いているナガの独立運動に対しても黙殺を続けている。

第二次世界大戦末期、日本軍がビルマから当時の英領インドにまで進攻したインパール作戦の激戦地が、現在のナガランドの地域であり、ナガの独立運動の機運に日本が多少とも影響を与えていたこと以外にも、ナガが日本文化の形成に影響を与えた照葉樹林帯に属しながら、生活形式をほぼ変化させないまま現在に至ったために、文化人類学的に貴重な生きた研究対象として、日本において、ナガが政治的な関心はほとんど持たれていないが民族学的な観点からは、現地への入境制限からフィールド・ワークは限られたものしか行われてこなかったが、高い関心を持たれてきた事は、注目すべき点。

尚、本書の特筆すべき点として、巻末の資料編が充実しており、下述の関連年表に加え、豊富な参考文献の列挙もあり、更に、「9ヶ条合意」(インド独立直前にナガとインドの間にナガの地位について1947年6月に取り決められた合意)、「16ヶ条合意」(ナガの中の穏健派がインドとの間にナガランド州の創設を取り決めた1960年7月の合意)、「作戦の停止合意」(抵抗を続けるナガの組織とインド政府の間の和平交渉のための作戦の停止の1964年8月の合意)、「和平使節の提案」(バプティスト教会の仲介による1964年12月の和平提案)、「シロン協定」(ナガランド州創設以降も闘争を続けるナガとインド政府の間に1975年11月に取り決められた協定)など重要な条約関連の本文内容をはじめ、ナガの組織が分裂する以前のFGN(ナガランド連邦政府)のナガランド国歌、実質的に政府機能を失っているFGN(ナガランド連邦政府)によるナガランド憲法の前文、ナガ民族社会主義評議会(NCSN)がナガ民族評議会(NNC)から内部の対立によって分裂成立した1980年に発表したNCSN声明書を掲載している。

目次
はじめに
第1章 ナガを知るために
1.ナガ:ナガとは/ ナガの部落
2.照葉樹林文化:照葉樹林帯/ ナガの文化
3.地理:ナガランド/ 少数民族地帯
4.行政区分

第2章 歴史を知るために
1.歴史以前 ナガの起源
2.前イギリス期 ナガ周辺諸国との関係:アホム王国/ マニプル藩王国/ ビルマ
3.イギリス期1830年代~ イギリスのインド支配とビルマ併合:ナガ居住地への侵入/ ナガ居住地の併合
4.  キリスト教化19世紀半ば:ヒンドゥー、ブッディズム、イスラム/ アメリカン・バプティスト/ 「パクス・ブリタニカ」
5.第2次世界大戦1940年代前半:日本軍の計画/ 第2次世界大戦
6.NNC1940年代後半:インド独立とナガ独立運動/ 中印戦争/ ナガランド州成立
7.和平交渉1960年から:和平会談/ バングラデシュ建国/ シロン和平協定
8.NSCN 1980年以降:NSCNの成立/ ナガ – クキ抗争/ NSCNの和平への動き
第3章 現況を知るために
1.ナガランド:独立の可能性/ 治安/ 闘争の形態/ 開発
2.インド
3.インド北東部:アルナチャル・プラデシュ/ アッサム/ メガラヤ/ ミゾラム/ マニプル/ トリプラ/ シッキム
4.ビルマ
5.国際関係:パキスタン/ バングラデシュ/ 中国/ ネパール/ 日本/ ブータン
資料編
第1 条約:9ヶ条合意/ 16ヶ条合意/ 作戦の停止合意/ 和平使節の提案/ シロン協定
第2 ナガランド国家
第3 ナガランド憲法(FGNによる)
第4 NSCN声明書
第5 年表
第6 参考文献
あとがき
【地図】
<第1章>
ナガ各部族分布地図/ 照葉樹林帯分布地図/ インド北東部とビルマ周辺の地形地図/ インド北東部とビルマ周辺の少数民族分布地図/ インド行政区分地図/ ナガランド州行政区分地図
<第2章>
18,19世紀ナガ周辺勢力地図/ 20世紀初頭イギリスの世界植民地地図/ 20世紀初頭インド帝国地図/ 3大宗教アジア伝播地図/ 第二次世界大戦までの日本軍南方進攻地図/ 日本軍インド進攻及び連合軍反攻作戦地図/ 印パ分離時の藩王国・保護国併合地図/ 中印国境問題地図/ ナガ居住地行政区分変遷地図
<第3章>
ナガ政治組織系図/ インド国境周辺民族・宗教問題地図/ インド北東部とビルマ周辺の民族武装組織分布地図

年表
・1824年:ビルマ、アッサムに侵入。第一次緬英戦争開戦。
・1826年:第一次緬英戦争終戦ヤンダボー条約。アッサム、東インド会社に併合。
・1832年:イギリス、マニプル=アッサムルート開発のためナガ丘陵に入る。
・1833年:アッサム王国滅亡。
・1836年:アメリカン・バプティスト・ミッションが布教を始める。
・1838年:イギリス、初めてアンガミ遠征。
・1839年:イギリス、アッサム茶会社設立。
・1840年:イギリス、再びアンガミ遠征。
・1842年:イギリス、マニプルとナガ丘陵の境界を引く。
・1845年:イギリス、ナガ丘陵へ行き、コノマの首長と同意書作成。
・1850年:イギリス、コノマとメゾマ遠征。増援、コノマ要塞捕獲破壊。
・1851年:ケクリマ村の戦闘。インド総督ダルハウジー卿不干渉政策決定。
・1852年:第二次緬英戦争。
・1857年:インド大反乱。
・1873年:ナガにインナー・ライン・レギュレーション設定。
・1874年:3つの村のイギリスによる初めてのナガ丘陵の公式併合。アッサム、ベンガルから分割され、チーフ・コミッショナーの州となる。
・1878年:コヒマとワカに駐屯地建設。ヘンリー・ダイモント、弁務官代理に任命。
・1879年:ダイモント、コノマで殺害される。第一次イギリス=ナガ戦争。ナガ、コヒマを包囲。コノマ攻撃。
・1880年:コノマのナガ、降伏。
・1881年:ナガ・ヒルズ・ディストリクト設定されアッサムの一区域としてイギリスの統治下に入る。イギリス、ナガ丘陵に浸透していく。
・1885年:第三次緬英戦争。
・1886年:ビルマ、英領となる。
・1889年:チュエンサン、イギリスに占領される。
・1890年:イギリスと清がシッキム条約を結ぶ。
・1891年:マニプル、独立を失う。
・1913年:イギリスとインドとチベットによるシムラ会議。
・1914年:シムラ協定仮調印。マクマフォン・ライン設定。
・1918年:ナガ・クラブ創立。
・1929年:イギリス政府ジョン・シモン調査団をインドに派遣。
・1935年:インド政府法令。除外地域と部分除外地域を設定。
・1937年:ナガ・ヒルズ・ディストリクト、アッサム内の除外地域となる。ビルマ、ビルマ総督下に置かれインドとは別扱いになる。
・1942年1月:日本軍ビルマ侵入
・1942年8月:クウイット・インディア
・1943年8月:ビルマ独立。
・1944年3月:第二次チンディット作戦。インパール作戦開始。
・1944年7月:インパール作戦中止。
・1945年:ナガ・ヒルズ・ディストリクト・トライバル・カウンシル結成。ピゾ、INA参加のため逮捕される。
・1946年4月:NHDTCナガ民族会議NNCと命名される。
・1946年6月:NNC4ヶ条の覚書提出し自治権要求。ピゾ参加。
・1947年1月:インド=パキスタン分割決議。
・1947年5月:NNC10年暫定政府の権利要求。バルドロイ委員会、コヒマ訪問し論議。
・1947年6月:アッサム知事、サー・アクバル・ヒダリ、コヒマ訪問し、9ヶ条の同意成立。
・1947年8月:ナガ派遣団はニューデリーでガンディーに会いナガランドの独立を訴えた。連邦内自治領として、インド独立。アウンサン暗殺。
・1947年10月:第一次印パ戦争。
・1948年1月:ビルマ連邦共和国独立。ガンディー、ヒンドゥー極右に暗殺される。
・1948年2月:イギリス兵完全撤退。
・1948年9月:インド軍ハイダラバード藩王国へ。インド連邦に編入。
・1949年:中華人民共和国樹立。カレン族反乱。
・1949年1月:カシミール停戦
・1950年:ピゾ、NNC議長に。インド共和国。インド・シッキム条約
・1951年:国民投票で99%のナガ人が独立を希望。インド弾圧。チュエンサン、NEFAのディストリクトとなる。
・1952年:インドが独立国として初の総選挙始まる。ナガはボイコットする。
・1952年3月:ナガ代表団、デリーでネルー首相と会見。独立を否定される。
・1952年4月:ピゾ、国連に報告。ビルマ経由でパキスタンに向かうがビルマ政府に送還される
・1952年6月:ピゾ、ディブルガルでネルー首相と会見。独立を否定される。
・1953年3月:インドのネルー首相とビルマのヌー首相がコヒマで会談。ナガの分割統治始まる
・1953年5月:ナガ武装闘争開始
・1954年:インド全州の州再編成委員会設置
・1954年9月:ピゾ、チュエンサンで自治政府宣言
・1956年1月:T・サクリーNNC辞任後、誘拐殺害される
・1956年3月:ナガ・セントラル・ガバメント発足。ナガ・ホーム・ガーズ結成
・1956年4月:ナガ警察署襲撃。アッサム警察とアッサム・ライフルの手に負えず、軍政に移行
・1956年7月:ナガ・セントラル・ガバメント集会。大統領クリエサニサ・アンガミ
・1956年9月:ナガ代表団、ネルーと会談。
・1956年12月:ピゾ、パキスタンに渡る
・1957年8月:穏健派のナガ人民会議(NPC)第1回コヒマで。ナガ・ヒルズ・ディストリクトとチュエンサンの統合要求。アッサム知事、インド連邦内で譲歩
・1957年9月:NPC代表団シロンでアッサム知事、デリーで首相と会う。
・1957年12月:ナガ・ヒルズ・ディストリクトとチュエンサン、統合されナガ・ヒルズーチュエンサン・エリアとなる
・1958年5月:NPC第2回。独立を要求する地下活動家を表面化させようとす。
・1959年:中国、チベット制圧
・1959年8月:中印国境紛争起こる。ミゾ飢饉戦線MFF結成
・1959年10月:ナガ・セントラル・ガバメント、ナガ連邦政府NFGに変更。大統領スカト・スゥ。ナガ人民会議NPC第3回。自治州、特赦要求の16項の覚え書き提出。
・1960年7月:ネルー首相NPCの自治州要求に同意。ミゾ飢饉戦線、ミゾ民族戦線MNFへ改称
・1960年10月:ピゾ、国連に報告
・1961年:カチン武装闘争開始。
・1961年2月:ナガ・ヒルズーチュエンサン・エリア、ナガランドと改称される。イムコングリバ・アオ、暫定組織の議長となる。
・1961年8月:イムコングリバ・アオ暗殺される。T・N・アンガミ、議長を引き継ぐ。
・1961年12月:インド軍ポルトガル領ゴア、ダマン解放。
・1962年:インド政府がナガランド州創設決議
・1962年3月:ビルマでネ・ウィン、クーデター
・1962年5月:パキスタン軍ナガの潜入を保護する。ピゾ、カラチを訪ねゲリラと会う。
・1962年10月:中印戦争、東北辺境とラダック。大統領緊急事態宣言~1968年まで
・1962年11月:停戦。国境警備隊BSF創設
・1963年12月:ナガランド州成立
・1964年1月:ナガ・ホーム・ガーズ、再編成ナガ・アーミーとなる。
・1964年5月:ナラヤン、チャリハ、スコットと和平会談。ネルー死去。
・1964年6月:ラル・バハドゥル・シャストリ二代目首相に。
・1964年9月:NFGと停戦実施、和平会議始まる。ザシー・フイレ代表団長と外務次官イサク・スゥ、インド政府側の州首相シル・アオと外務次官グンデビア 1965年1月まで
・1965年4月~9月:第二次印パ戦争。
・1966年1月:シャストリ、タシケントで急死、インディラ・ガンディー首相に
・1966年2月:ガンディー首相とNFG和平会議始まる。
・1967年9月:ナガランド英語を州の公用語とする。
・1967年10月:クガト・スカイとイムコンメレ・アオとイサク・スゥ、デリーへ行き、和平会議決裂。
・1967年12月:ナクサライトの乱
・1968年4月:B・K・ネルー、ナガランド州知事就任。ディマプルで平和会議。ケヴィ・ヤライ、ザシー・フイレ出席。
・1968年6月:ジョッソマの戦い。ゲリラ・キャンプ襲撃される。中国製武器発見非難。
・1968年11月:ナガ革命政府とナガ人民会議CNP
・1969年2月:ナガランド州議会選挙。ナガ民族組織NNO勝利
・1970年4月:メガラヤ、アッサム内の自治州となる。
・1970年9月:ピゾ、東パキスタン訪問。
・1971年12月:第三次印パ戦争。バングラデシュ人民共和国独立。ダッカでナガ軍総指揮官逮捕
・1972年:アメリカ人伝道者ビリー・グラハム、ナガランドで説教。
・1972年1月:メガラヤ、アルナチャル・プラデーシュ州成立。マニプル、トリプラ州成立ミゾラム連邦直轄領
・1972年8月:ナガランド州政府首相ホキシエ・セマへの発砲事件。NFG、NNC非合法化。
・1974年2月:ナガランド州議会選挙。旧地下活動家ビゾルが統一民主戦線UDFを率いて勝利
・1975年3月:ナガランド州大統領統治
・1975年4月:シッキム、インドの1州に
・1975年7月:ミゾ反乱派インド政府と和平協定
・1975年11月:シロン和平協定。インド政府と武闘派
・1977年3月:第6回総選挙、国民会議派敗れてジャナタ党のデサイ首相に
・1977年6月:ピゾ ー デザイ会談。
・1977年11月:ナガランド州議会選挙。ピゾルの統一民主戦線再び政権につく。
・1979年7月:デザイ辞任。チャラン・シン首相となるが8月辞任。
・1979年12月:第7回インド総選挙。インディラ再び首相に。アッサム州外国人排斥運動激化
・1980年:NNCからナガ民族社会主義会議NSCN分派し、ナガ人民共和国政府GPRN設立宣言
・1982年11月:ナガランド州議会選挙。国民会議派のS・C・ジャミール州首相になる。
・1985年:アッサム合意
・1986年:コヒマで学生の抗議デモに政府軍が発砲し100人近い死傷者が出る。
・1987年2月:ミゾラム、アルナチャル・プラデシュ州成立
・1987年11月:ナガランド州議会選挙。国民会議派勝利。
・1988年:NSCN、カプラン派とムイヴァ派に分裂。ビルマ民主化運動、クーデターでSLORC政権が成立。
・1989年:NSCNカプラン、ムイヴァのキャンプ攻撃
・1990年:ピゾ、ロンドンで死す。
・1990年11月:チャンドラ・シェカール首相に。NSCN禁止される。
・1992年:アヨーディヤのバブリー・マスジッド破壊
・1993年:ナガークキ抗争
・1996年:インド総選挙、多数政党からなる統一戦線政権成立。デヴェ・ゴウダ首相に。
・1997年:SLORC改称してSPDCとなる。インド内閣再編、インドラジット・クマル・グジュラル首相に。
・1998年2月~3月:インド総選挙、BJP連立政権成立。アタル・ベハリ・バジパイェ首相に。

関連記事

おすすめ記事

  1. メコン圏を描く海外翻訳小説 第15回「アップ・カントリー 兵士の帰還」(上・下)(ネルソン・デミル 著、白石 朗 訳)

    メコン圏を描く海外翻訳小説 第15回「アップ・カントリー 兵士の帰還」(ネルソン・デミル 著、白石 …
  2. メコン圏対象の調査研究書 第26回「クメールの彫像」(J・ボワルエ著、石澤良昭・中島節子 訳)

    メコン圏対象の調査研究書 第26回「クメールの彫像」(J・ボワルエ著、石澤良昭・中島節子 訳) …
  3. メコン圏題材のノンフィクション・ルポルタージュ 第24回 「激動の河・メコン」(NHK取材班 著)

    メコン圏題材のノンフィクション・ルポルタージュ 第24回 「激動の河・メコン」(NHK取材班 著) …
  4. メコン圏現地作家による文学 第11回「メナムの残照」(トムヤンティ 著、西野 順治郎 訳)

    メコン圏現地作家による文学 第11回「メナムの残照」(トムヤンティ 著、西野 順治郎 訳) 「…
  5. 調査探求記「ひょうたん笛の”古調”を追い求めて」①(伊藤悟)

    「ひょうたん笛の”古調”を追い求めて」①(伊藤悟)第1章 雲南を離れてどれくらいたったか。…
  6. メコン圏を舞台とする小説 第41回「インドラネット」(桐野夏生 著)

    メコン圏を舞台とする小説 第41回「インドラネット」(桐野夏生 著) 「インドラネット」(桐野…
  7. メコン圏に関する中国語書籍 第4回「腾冲史话」(谢 本书 著,云南人民出版社)

    メコン圏に関する中国語書籍 第4回「腾冲史话」(谢 本书 著,云南人民出版社 ) 云南名城史话…
  8. メコン圏の写真集・旅紀行・エッセイ 第19回「貴州旅情」中国貴州少数民族を訪ねて(宮城の団十郎 著)

    メコン圏の写真集・旅紀行・エッセイ 第19回「貴州旅情」中国貴州少数民族を訪ねて(宮城の団十郎 著)…
  9. メコン圏が登場するコミック 第17回「リトル・ロータス」(著者: 西浦キオ)

    メコン圏が登場するコミック 第17回「リトル・ロータス」(著者:西浦キオ) 「リトル・ロー…
  10. 雲南省・西双版納 タイ・ルー族のナーガ(龍)の”色と形” ①(岡崎信雄さん)

    論考:雲南省・西双版納 タイ・ルー族のナーガ(龍)の”色と形” ①(岡崎信雄さん) 中国雲南省西双…
ページ上部へ戻る