論考「遥かなるメコンを越えて ナーンの旅、そしてプーミン寺壁画」⑧

論考「遥かなるメコンを越えて ナーンの旅、そしてプーミン寺壁画」
第4章 ナーンへの道 その1(ランパーン・ルート)

(蔵屋敷滋生 くらやしき・しげお 投稿時:出版社役員,59歳、千葉県柏市在住)

(写真下: 悠久なるメコンの流れ、チャムロン付近)

もう一つは豪華お薦めコースである。チェンマイ→ナーン間をわざわざビルマ、ラオス国境に出てから国境沿に2泊3日で走破するものだ。時間的に余裕があればこっちの方が断然面白いし、波乱に富んだ旅も期待できる。なんと言ってもタイ・ラオス国境を隔てるメコンを満喫できるのもいい。

  『竜王のメコン河』をお読みになった方は、幻のプーリ族の村に通じる洞窟、突然出現する「竜王プーリサット」の情景がメコンの流れと共に実感できるはずだ。むろんチェンマイ美人の文化人類学者・キムさんを見つけるのは困難だが、小説にナーンが登場するのはうれしい。
『竜王のメコン河』関連テーマ情報・ワード

http://www.mekong.ne.jp/directory/nagamekong/backnumber.htm


(写真: 2001年2月11日、メーサイ国境)
初日はチェンマイ→チェンライ→メーサイ→チェンセーン→チェンコンまでの260キロ。山、谷、平野、ラーンナーの遺跡、そしてメコンの景観が楽しめる。チェンセンでは最初のムアン=タイ族連合集団(ラオス・ルアンパバーンに建国したランサン王国の属国との説もある?)遺跡、名刹・ワット・パーサック(14世紀前半の寺跡。仏塔はラーンナー以前のハリプンチャイ様式に似る)、ワット・チェディルアン(14世紀後半。仏堂と仏塔があるだけだが、仏塔はビルマ様式である八角形基壇の重厚なもの)を見学しながらの旅は、タイの田舎を満喫し、贅沢で感動の一日を保証します。

(写真左:チェンセーン 苔むすワット・チェディルアン)
メコンの流れは、ソップルアクのワット・プラタート・プックハオの境内から見るのが一番でしょう。頂上までは車でも行けるが、ここは是非ナーガの階段を登って行くことをお薦めします。階段の途中で振り向けばメコンが、丘の上から「ゴールデントライアングル」の絶景が一望でき、メコンを高いところから満喫できる。

(写真:チェンコン メコンが「gate to indo-china」)

チェンセーンを後に、車はメコンに沿ってソップクック、スアンドック、サラビューと景勝地を巡る。メコンの流れが所によって景観、表情を変えてくれるのが楽しめる。そしてメコンの夕日はチェンコンのリバーサイド飯屋でどうぞ。ただし、太陽はタイ側に降りるので、メコンに沈む夕日はラオス・フェサイからでないと拝めません。対岸のラオスの灯りを見ながらのビールは格別です。ゲストハウスはたくさんありますので寝る分には困りません。


(写真:チェンコン 対岸はラオス・フェーサイ)
2日目はチェンコンを早めに出て1020号線をいったん南下、タチャロエンから1155線を北上しウィェンカーンに。ここで再びメコンに出会うことができる。ツーリストに遭遇することはない。居住民のほとんどはモン族(Hmong)の皆さんです。国境の最果てですから反転して南下。つまり北部でメコンがタイ・ラオス国境となる最後のポイント(ビェンゲーン)でもあります。この先、メコンはラオス領を流れ、再びタイ・ラオス国境となるのは東北部のセーナーカム(ローイ県チェンカーン)まで下らねばならない。なぜこの地でメコンが国境でなくなるのか、このことが大きな意味を持ってきます(シャムとフランスの間で交わされた領土割譲条約が関係)。覚えておいてください。

 
(写真: いざ、プーチーファーへ。パターン峠の茶屋)
このコースはこれからがハイライトです。1155線をパンハットまで行き、再びラオス国境のパターンに東進、そこから国境沿いにプー・チー・ファーへ尾根伝いに山道を進みます。一本道ですから迷うことはありませんが、雨季の車での通行は不可能でしょう。進行左側はラオス国境となる山塊。右手の視界は、かなりの悪路を補って余りある180度パロラマの連続です。


(写真: 山裾の道を進む。180度のパノラマ)
この地域には今でも中国・雲南省からの移住民が続いているそうです。パターンでは漢字の筆談が可能でした。プー・チー・ファーまでの景観 (山頂までは約1時間のきつい山登りが必要です) に満足しましたら、山から下って再び1155線に。途中に大きなモンの村がいくつかあります。合流点から約40キロでチェーンカムです。この付近では、最も大きな街です。昼食でも摂りながら一休み。

(写真:プーチーファー(1721m)への登山口。 あいにくの霧)

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