ワット・チェディ・ルアン

2000年5月掲載

かつてエメラルド仏像が安置されていたチェンマイの王室寺院
▼寺院内の主要建造物

ワット・チェディ・ルアンは、北タイ・チェンマイの城壁と壕に囲まれた旧市街内にある古刹の一つであり、格式ある寺院である。大きい”ルアン”仏塔”チェディ”という名を持つ寺で、かつては高さ80mを誇る仏塔があったところだ。その後1545年の大地震で崩壊し、崩れたまま放置されていたが、1928年から1931年に寺の再興が図られ、また近年になって修復が進んだ(大仏塔は、国の予算で1990年から92年に改修された)。

バンコクのワットプラケオに安置されているエメラルド仏もかつてこの寺院に80年間(1468年~1548年)安置されていた。1995年4月にはかつてエメラルド仏が安置されていたのと同じ場所である大仏塔の東側の壁龕(くぼみ)に新しく作られたエメラルド(翡翠)仏が、シリントン王女によって安置され直した。

寺院の歴史

1391年、ランナー王国第7代王・セーンムアンマー王(在位1386~1401年)の時代に建立され、ランナー王国最盛期の第9代王ティローカラート王(在位1442~1487年)の時代、仏塔(チェディ)の改築が行われ、高さ80m、基座の各面広さ56mになった。この大仏塔は、ランナー、スリランカ、パガン建築様式が混ざり合ったものといわれ、なかでもティローカラート王の改築で重要だったのは、エメラルド仏を安置するために、大仏塔の東側に壁龕(くぼみ)を作ったことである。

現在バンコクのワットプラケオに安置されているエメラルド仏像は、各地を転々とする数奇な運命を辿っているが、この寺にも1468年から1548年までの80年間(1年間は大本堂に、79年間は大仏塔の東側壁龕に)安置されていた。この後エメラルド仏は1548年セーターティラット王によりルアンパバーンに、そしてランサーン王国の遷都とともに、ヴィエンチャンに移されることになる。

ランナータイ第11代王・ムアンケオ王(在位1495年~1525年)の時代に、再度、大仏塔の基座部の拡大等の改築が行われた。しかしランナータイ第15代・チラプラパー女王(在位1545年~1546年)の時代、1545年に起こった暴風雨と地震によって、威容を誇った大仏塔も崩壊してしまった。

その後、数百年にわたり、ワットチェディルアンは放置されたままであったが、最後のチェンマイ領主(ティプチャン朝第9代:在位1909年~1939年)チャオ・ケオ・ナワラットが、1928年、バンコクのボロム・ニワート寺住職のウバーリクヌーパマーチャーン僧を招き、同寺を再興させた。1938年には3等1級王室寺院に格上げになった。

崩壊したままの大仏塔も、1990年6月4日、タイ政府は芸術局を通じ、大仏塔の改修に35百万バーツの資金を割り当て、1992年12月30日改修工事が終了した。

●寺院内の主要建造物
■プッターワート(宗教行事が行われる聖なる区域)
・インターキン柱の安置堂(1993年改修)
・小仏塔2基(1993年初改修)
・大本堂
1411年、サームファンケーン王の母によって建設。その後数度の改修を経て、現在の大本堂は、1929年に建設された。更に1969年天井建設、1977年チョーファー上げ儀式を挙行
・大仏塔(1990~92年改修)
・鐘楼(ホーラカン)(1993年建設)
・寝釈迦仏
仏塔と同じくらい古いとみられるが、建設時期は不明。現在のものは、1993年10月改修されたもので、高さ1.93m長さ8.7mの仏像である
・クムパン(夜叉)像2体と祠2ヶ所(1993年改修)
・マハーカッチャーイ堂(1963年建設)
■サンカーワート(比丘、沙弥の居住区域)

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