メコン圏と日本との繋がり 第12回「西村太郎右衛門と安南渡海船額(滋賀県近江八幡市・日牟礼八幡宮)」

メコン圏と日本との繋がり 第12回「西村太郎右衛門と安南渡海船額(滋賀県近江八幡市・日牟礼八幡宮)」

(写真上:「西村太郎右衛門供養塔」(滋賀県近江八幡市宮内町)<*2024年6月15日午後訪問撮影>

西村太郎右衛門(にしむら・たろううえもん)供養塔
西村家は、蚊帳・木綿を取り扱っていた商人で、屋号を綿屋と称します。太郎右衛門は2代目嘉右衛門の次男として、慶長8年(1603年)に近江八幡で生まれました。20歳の時に角倉了以の御朱印船で長崎から安南(ベトナム)へ旅立ちます。異国の地に渡り25年、帰国のため長崎まで帰ってきますが、時は鎖国の世であり上陸は許されず、やむを得ず引返し安南の地で没しました。太郎右衛門の兄は、異国の地で亡くなった彼を思い、屋敷内に供養塔を建立します。その後、昭和5年(1930年)の御大典に併せて造成された「八幡公園」(現在地)に移され、今も近江八幡の発展と繁栄を眺めています。
社団法人 近江八幡観光物産協会

(写真上:「安南屋西村太郎右衛門宅址」(滋賀県近江八幡市新町)<*2024年6月15日午後訪問撮影>

西村太郎右衛門宅址
西村家は、蚊帳・木綿を取り扱っていた商人で、屋号を綿屋と称します。太郎右衛門は2代目嘉右衛門の次男として、慶長8年(1603年)に近江八幡で生まれました。20歳の時に角倉了以の御朱印船で長崎から安南(ベトナム)へ旅立ちます。異国の地に渡り25年、帰国のため長崎まで帰ってきますが、時は鎖国の世であり上陸は許されず、やむを得ず引返し安南の地で没しました。彼が、故郷への思いを託し絵師(菱川孫兵衛)に描かせ、日牟礼八幡宮へ奉納した絵馬「安南渡海船額」は国の重要文化財に指定されています。 社団法人 近江八幡観光物産協会

この「安南屋西村太郎右衛門宅址」の碑は、近江八幡市立資料館(郷土資料館)(滋賀県近江八幡市新町2丁目22)の敷地内にあり、入口の門を入り、すぐ右手側に建てられている。この近江八幡市立資料館は、西村太郎右衛門の邸宅跡に建てられた元八幡警察署(ヴォーリズ建築)を、そのまま利用した資料館。
(写真下:近江八幡市立郷土資料館(滋賀県近江八幡市新町)<*2024年6月15日午後訪問撮影>

近江商人のふるさと <近江八幡市立郷土資料館前の案内板>
天正13年(西暦1585年)豊臣秀次が八幡山頂に築城、本能寺の変で主なき城下町となった安土の町を移し、翌年八幡山下町掟書を公布、縦十二通り、横四筋の区画整然とした城下町が誕生。しかし開町から10年、廃城となるが、その後は商業都市として栄え、北は北海道、南は九州、遠くは東南アジアまで活躍した近江商人の一つのふるさtでもある。今なお、碁盤目状の町並みは旧市街によく残され、特に新町や永原町には近江商人の本宅であった家々が建ち並び、八幡堀に面した土蔵群等、往時の在郷町としての繁栄を伺い知ることが出来る。現在、伝統的建造物群保存地区の指定を受けたこの町並みは、未来の都市空間の中に継承すべき貴重な文化遺産であり、近江八幡の心のよりどころである。

近江商人の信仰を集めてきた古社・日牟礼八幡宮(ひむれはちまんぐう、滋賀県近江八幡市宮内町)の絵馬殿に、西村太郎右衛門が奉納した絵馬「安南渡海船額」の複製が掲げられている(本物は国の重要文化財に指定され、非公開)。銘文の墨書には”奉掛 御宝前 正保四年丁亥三月吉日 安南国居住 西村太郎右衛門 菱川孫兵衛筆”とあり、正保4年(1647年)に、西村太郎右衛門が、長崎の絵師・菱川孫兵衛に描かせ、故郷の日牟礼八幡宮に奉納したものとみられ、明治40年(1907年)5月27日に国の重要文化財に指定。

(写真下:日牟礼八幡宮(滋賀県近江八幡市新町)の絵馬殿に掲げられている安南渡海船額複製<*2024年6月15日午後訪問撮影>

(写真下:日牟礼八幡宮(滋賀県近江八幡市新町)<*2024年6月15日午後訪問撮影>

(写真下:日牟礼八幡宮(滋賀県近江八幡市新町)の鳥居<*2024年6月15日午後訪問撮影>

(写真下:近江八幡観光MAP案内板。八幡公園・市立資料館・日牟礼八幡宮の位置関係 <*2024年6月15日午後訪問撮影>
(写真下:西村太郎右衛門供養塔のある八幡公園案内図 <*2024年6月15日午後訪問撮影>。
西村太郎右衛門供養塔の場所は、市立図書館の建物裏手の八幡公園の多目的広場の更に北西に少し登ったところ。八幡公園の多目的広場のすぐ北東のところには、豊臣秀次公銅像が建っている。

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