論考「遥かなるメコンを越えて ナーンの旅、そしてプーミン寺壁画」⑦

論考「遥かなるメコンを越えて ナーンの旅、そしてプーミン寺壁画」

(蔵屋敷滋生 くらやしき・しげお 投稿時:出版社役員,59歳、千葉県柏市在住)

第4章 ナーンへの道 その1(ランパーン・ルート)

チェンマイを出発してランパーン→ローン→プレー→ウィエン・サ→ナーン(約360キロ)に入るコースも捨てがたい。だが、チェンマイ→ランパーン間は国道1号線を走らざるを得ず、タイ入国2日目の身にスーパーハイウェイのラリーは心臓に負担がかかり過ぎる。大型トラックやバスのスピード狂は知られているが、平均100キロオーバーで走り抜ける自家用車にも閉口する。タイドライバーに「譲り合いの精神」とか「追い越しはウインカーで合図してから」を求めても所詮無理なのかも知れない。下りの山道でも彼らは平気でアクセルを踏んでいるはずだ。だから時々検問があると、警官に感謝したい気持ちになる。

このサイトに『北タイ・国道1号線の旅』(チェンライパヤオランパーン)が紹介されているが、思わず『国道1号線命知らずの旅』ではと思ったほどだ。ただランパーン市内で花馬車を見かけたり、ワット・プラケオ・ドンタオの仏塔(ハリプンチャイ様式)やワット・ボンサヌック・タイの重層屋根の層塔(ランナー様式の典型と称される)を見て回るうちに不思議と気持ちが落ち着いてくる。

ランパーン郊外。ワット・プラタート・ランパーン・ルアン

ランパーン市内。ワット・プラケト・ドーン・タオ

ランパーン市内。ワット・ポーンサヌック・タイ

ランパーン市内。ワット・ポーンサヌック・タイ

プレーでは小高い丘に建つワット・プラタート・チョーへェー(13世紀、プレーの領主・ルアンコームが建立)は素通りしたくはない。門前の左手にある食堂のカオパットは中国風のチャーハンに似て美味。最近、プレーにワット・ウィン・タ・モンという板絵のある寺を知った。市内から西40キロと紹介されているが、詳細な場所は不明。そのほかにも浸食された石灰岩の奇形地・ペップ・ムアン・ピーもある。一瞬、別世界に迷い込んだ錯覚に落ち入るが、一度だけ寄っただけである。

プレー郊外。ワット・プラタート・チャ・ヘァーの山門

プレー郊外。ワット・プラタート・チャ・ヘァーの境内

プレーを抜けたあとは太陽の恵みをいっぱいに受けた田園地帯と、そう急峻ではない山道の連続だが「花香鳥語」「焦風椰雨」の世界が満喫できる。道路はまったく問題ない。そしてナーンへ。

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