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メコン圏が登場するコミック 第23回「密林少年 ~Jungle Boy ~」(著者:深谷 陽)
- 2024/7/20
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メコン圏が登場するコミック 第23回「密林少年 ~Jungle Boy ~」 (著者:深谷 陽)
「密林少年 ~Jungle Boy~ ❶」 (著者:深谷陽、原作:『アキラの地雷博物館とこどもたち』アキ・ラー編著、発行:集英社<ヤングジャンプ・コミックス・BJ>、2006年11月発行)(*「ビジネスジャンプ」平成18年(2006年)13号~20号に好評連載されたものを収録)
「密林少年 ~Jungle Boy~ ➋」 (著者:深谷陽、原作:『アキラの地雷博物館とこどもたち』アキ・ラー編著、発行:集英社<ヤングジャンプ・コミックス・BJ>、2007年3月発行)(*「ビジネスジャンプ」平成18年(2006年)22号~平成19年(2007年)5号に好評連載されたものを収録)
●<著者紹介>
深谷 陽(ふかや・ あきら)<発行掲載時、本書紹介より>
1967年8月12日生まれ。舞台大道具、特殊メイクスタッフ等を経て、1994年秋「神様の島のある食卓」が、ちばてつや賞一般部門入賞。「踊る島の昼と夜」、「運び屋ケン」、「P.I.P. ~プリズナー・イン・プノンペン」、「艶捕物囃~唐紅花の章~」、「スパイシー・カフェガール」など、著者多数。●<この物語の主人公>
アキ・ラー Aki Ra(通称 アキラ)<発行掲載時、本書紹介より>
カンボジア人。5歳でポル・ポト軍に父母を殺され、20歳までポル・ポト軍、ベトナム軍、カンボジア軍で少年兵として戦い、地雷を埋めた。20歳の時、国連軍で地雷処理を始める。村人に頼まれて地雷や不発弾処理に無料で出かけるディマイナー(地雷掃除人)。26歳(1999年)で自宅兼「地雷博物館」を公開。どこからも援助なしに見学客の寄付で運営している。「地雷の危険性と戦争の悲惨さを伝えたい」と自分で掘った地雷や不発弾を展示し、戦争孤児や地雷被害の子供たちを養育している。今までに処理した地雷は「2~3万個」。
本作品「密林少年 ~Jungle Boy~」は、漫画家・深谷 陽(ふかや・あきら)氏が、「アキラの地雷博物館とこどもたち」(アキ・ラー編著、三省堂、2005年9月)の原作本をもとに、脚色・構成したドキュメントコミックで、2巻完結。1巻は2006年11月、2巻は2007年3月に、集英社<ヤングジャンプ・コミックス・BJ>として発行。初出は、「ビジネスジャンプ」平成18年(2006年)13号~20号・22号~平成19年(2007年)5号に連載と、原作発行の翌年にはコミック化されている。
本書の著者で、漫画家の深谷 陽 氏は、1967年生まれで、福島県石川郡石川町出身。元特殊メイクアーティストの経歴を持つ漫画家。1994年、講談社の漫画新人賞「ちばてつや賞・一般部門」(第26回)で、「神様の島の愛ある食卓」が入選し漫画家デビュー。以降、デビュー作をはじめ、は、インドネシア・バリ島の著者自身の旅行体験をベースとしたデビュー作品の単行本『アキオ紀行バリ』(1995年12月刊行、講談社モーニングKC-444単行本)の続編『アキオ無宿ベトナム』(1996年刊行)など、数多くのアジアを舞台とした作品多く、カンボジアを舞台とした原作本のコミック化も「P.I.P. ~プリズナー・イン・プノンペン」で手掛けていて、アジア漫画の作風も多様。アジア漫画の漫画家としても有名ながら、アジア漫画に限らず、歴史時代物なども数多く手がけている。本作品の冒頭で漫画でも描かれているが、2004年、深谷陽氏がカンボジアのシェムレアップで、偶然に、アキラの地雷博物館を知ったことが最初のきっかけ。
本書のタイトルは、「密林少年 ~Jungle Boy~」となっているが、本作品の主人公アキラーは、
本書の第1巻(第1話~第8話)は、本作品の主人公アキラーが、カンボジア
残酷で悲惨な状態ではあるものの、主人公の少年が非常に元気で逞しく弱音をはいていない姿には驚かされるが、原作にはない脚色も本書には何点か見受けられ、ポル・ポト軍で少年兵として戦っていた時の同年齢に近い、カンボジア少女兵のナナの存在や、ベトナム軍キャンプに同行しているカンボジア人の大人の女性のソレットの存在は、原作には登場していなかった話。原作に書かれている、1988年、ベトナム軍兵士の一人として、シェムレアップから約50キロ北にある、軍事上の要所クチンという小さな町に配属されていた時に、夜間、パトロール隊が出かけた時に、ポル・ポト軍の奇襲に遭い、部隊がほぼ全滅し、アキラー氏は、命からがら逃げきった「パトロール隊」という話が、本書では、第5話「スパイ疑惑」、第6話「密通」として脚色構成されている。また、第8話「年上の部下」という話も原作には記されていなかった話。第7話「触れ合い」は、村人や子供たちとの交流や、ベトナム軍での主人公と、ポル・ポト兵士たちとのカンボジア人同士の交流のシーンも描かれている。
本書の第2巻(第9話~第15話+最終話)は、本作品の主人公アキラー氏が、
- 目次
「密林少年 ~Jungle Boy~ ❶」
第1話 古い記憶
第2話 髭と牙の巨人
第3話 出動命令、そして・・・
第4話 綱引き
第5話 スパイ疑惑
第6話 密通
第7話 触れ合い
第8話 年上の部下
「密林少年 ~Jungle Boy~ ➋」
第9話 黒い5人組
第10話 真実
第11話 一筋の光
第12話 空を飛んだ日
第13話 決心
第14話 再会
第15話 因縁
最終話 友達