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「CAMBO.DEAR (親愛なるカンボジア)」(youmeさん)第7回「 キノミキノママプロジェクト【2】」
- 2003/2/10
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「CAMBO.DEAR (親愛なるカンボジア)」(youmeさん)第7回「 キノミキノママプロジェクト【2】」
ソティエンにとっては恩師との再会でもあり、私にとっては劇的な初対面となったロス氏は、学習塾で教鞭を取り生計を立てて詩を書いている。訪問した先はその学習塾であった。用件をソティエンが話してくれ、ロス氏にはポートフォリオから自由に写真を選んで詩を書いて下さいとお願いした。選ばれた写真は2枚。ちょうどお正月の時期で里帰りも重なっていたが、「後日来ていただければ、作品をお渡ししますよ」とコラボレーションの参加をひき受けてくれた。
ボトム寺ではもう一人の詩人ボリン氏に会い、彼には津嘉田泰三さんによる音楽作品と写真を見てもらい詩をお願いした。ユー・ボー会長が何気に私の話を聞いてくれていただけだと思ったのだが、コラボレーションに適任の詩人でもあり音楽家でもあるボリン氏を紹介してくれたのだ。非常にシャイで伏目がちで言葉数の少ない二人の詩人は「日本とカンボジアの作家が共通して作品を作る」と言う点に非常に興味を持ってくれた。
後日二人の詩人からそれぞれ2作品ずつ合計4篇の詩を受け取った。
[作意作風はお任せ]の上で出来あがって来た作品は、自分が写真として切り取った瞬間を、音で表現するとこうなるし、文字で表現するとこうなると言う、それぞれの作家の息がかかった優れた作品となって再び誕生した。
特に詩は、作品を受け取った時には全く解読不可能で何が書かれているのか分からなかったのだが、カンボジアの留学生たちの協力によって日本語に姿を変え、詩の意味を知った時の感動は大きかった.
同時に彼らにインタビューをお願いしていたのだが、そこにもまた彼らの詩以上に素敵な言葉が散りばめられていてこのコラボレーションの無限の広がりを感じたし、作品だけでなく、彼ら現地で活動を続ける作家たちの声を伝えて行くと言う事も非常に意義のあるもんだと思った。新しい事に取り組む度に学ぶ事は大きい。
【二人の詩人について】
*カンボジアの詩人:Hak Numan Borin (写真:右下)
*カンボジアの詩人: Kos Ros (写真:左下)
日本でもカンボジアでも、これからの時代を担っていく世代がどれだけ優れた作品を創ろうが、作家と言うステータスでは食っていけない、作品を発表する場所すらない、と言う現実がある。そういう問題を共に意識しながら、現実に挑戦して行く事もとても意義があると思う。
「人の命は短くても人が作った作品は永遠の価値があると思います」とはボリン氏の言葉である。
このプロジェクトの取り組みは、何かを表現する手段をたった一つしかもってなくても、それを持ち寄って共に何かを築くと言う意味だったり、未来へ繋ぐと言う事を前提に創作の意を縛る事なく新しい作品を作りたいという意味でもあったりする。
「気のみきのまま」と言うと、「マイペースで好きな様に…」という意味もあれば、「戦争で着の身着のままに国を追わる」と行った厳しい状況をそう喩えて言う事もある。我々日本人メンバーが前者だとしたら、コラボレーションで参加してくれている地元の作家たちは、後者に当たると言えるだろう。両極の意味を持つその言葉でプロジェクトをまとめる事によって、新しく次の時代へ残せる何か、すなわち[永遠の価値ある作品]を一緒に作って行きたいと言う思いが「キノミキノママ」には込められている。
こうして、最初に誕生したのが以下の4作品である。
■Light life【人生の光】
※■Hopeful of young
■System thinking【繋がる想い】
■Life of young vagabond【路上の子の人生】
※英タイトルは各詩人によってつけられた。オリジナル詩の日本語訳は在日カンボジア人留学生の協力を得て完成。注■Hopeful of youngについては邦訳未完成。
この中からボリン氏による「繋がる想い」を今回はご紹介します。
『繋がる想い』じっと じっと 空を見て
しみじみと 色々な事を考えて
いつも経験した色々な事を手段 手段を探して
良い物 良い物を選んで
この考えを使って
人生の問題を理解するため人生は本当に頑張る事って
細かく考えてから
一生の中で成功という結果を求め
貧困 災難から逃れ
いつも幸せに近づく手段 手段を探して
良い物 良い物を選んで
この考えを使って
人生の問題を理解するため人生は本当に頑張る事って
細かく考えてから
一生の中で成功という結果を求め
貧困 災難から逃れ
いつも幸せに近づく色々考えるのは好き 好き
そしてよい事を発見する
失敗しないように頑張って
皆の幸福のために
自然 動物そして 人間の幸福のために
(*カンボジア語詩を邦訳して公開しています)
写真:youme.
詩:Hak Numan Borin
音楽:津嘉田泰三
翻訳:Nam Souteang, Sokha, Sovannaruen
朗読:シアン医師