旅行記「メコンを漂う 」第2編 メコン河沿いにカンボジア・プノンペンからラオス・フエサイまで遡る」(和 さん) 第7回 スローボードでメコンを遡る② パクベン ~ フエサイ

旅行記「メコンを漂う 」(和 さん)
第2編  メコン河沿いにカンボジア・プノンペンからラオス・フエサイまで遡る」 (2013年2月の旅)
第7回 スローボードでメコンを遡る② パクベン ~ フエサイ

ペンネーム:和
1996年に初めて長期旅行をして世界と出会い、訪問国は70ヶ国を越えました。 メコン川との出会いは1996年1月。タイからカンボジアに向かうフライトから見た、カンボジアの大地を蛇行しながら流れる大河に目を奪われました。メコンのほとりに立ったのはその1年後のタイ。メコンの向こうはラオスです。 ナイル川のように壮大な歴史を湛えるわけでもなく、ガンジス川のように聖地でもなく、タイの田舎の街を流れるメコンにその時はさほど心を動かされませんでした。でも、東南アジアを旅するとしばしば目にするメコンにいつのころからか親しみと安らぎを感じるように。それから何度となくメコンのほとりの街を訪れ、あるとき気づきました。国や民族を越えて、人々の日常の中を人々の生活を支えながら、ただ当たり前に流れるメコンに私は惹かれていると。メコンと共にある日常を垣間見る。そんなメコンを漂う旅をご紹介します。福井県鯖江市在住。

カンボジア・プノンペンからラオス・フエサイまで遡る旅の行程

旅のルート:
プノンペン(バス)→クラチエ(泊)(バス)→ストントゥレン(泊)(ミニバス)→カンボジア・ラオス国境(ミニバス・船)→ドンコーン(泊)(バス)→タケク(泊)(バス)→ビエンチャン(泊)(空路)→ルアンプラバン(泊)(船)→パクベン(泊)(船)→フエサイ(泊)(船)→タイ領チェンコーン

Pak Beng パクベンの朝、散歩です! てくてくてく。船着き場のあたりから坂を登っていくと集落があり、その手前で市場を発見!新しい屋根付き市場もありますが、その手前の場外市場もなかなかの品ぞろえでした。


学校の制服らしき巻きスカートをはいた女の子もお店屋さんです。登校の前にお手伝いでしょうか。船の中で食べるもち米とおかずを購入。
(もちろん調理されたお総菜です!)。再び朝もやの中 Huay Xai フエサイに向けて出発です。

道路から船まで下る斜面は、雨季に堆積した砂です。次は雨季に行ってみたいな。同じラオスのメコンでも、ここまで遡ると川幅が狭くなったと感じます。とは言え、日本人の目からすると広いけど。


(写真下)市場で買ったランチ

フエサイには夕方到着し、イミグレーションの近くで1泊。フエサイの街も建物が増えていました。宿は Thave esinh Hotel。当時は建物が新しく、お部屋も綺麗で最低限のものはそろってました。めったに書かなくなった絵葉書をここで書き、宿のおばさんにはがきと切手代を渡して投函をお願いしたことをよく覚えています。「買い物のついでに出しておくわ~」と引き受けてくれ、それが日本の友人のもとに届いたのは1か月以上経ってから。ラオスな時間です。


宿の詳細はBooking.com をご覧ください。翌朝、国境を越す前に散歩! てくてくてくてく。道路から枝分かれする未舗装の道を上ってみました。(写真下)タイがすぐそこに


道路沿いはコンクリートの3階くらいまである建物が並びますが、その後ろはラオスで一般的な平屋のお家が建ってました。家の前で座っておしゃべりしている人たちがいたので、私も混ぜてもらいました。(私はタイ語が少し話せるので、ラオス人と多少の会話ができます)
彼らが言うには、「以前は道路沿いに住んでたけど、中国人がやってきて土地を買い上げて商売を始めたんだ。それでもともと住んでいたラオス人たちは、この辺の丘の斜面に移ったんだよ。街のはずれには、中国製品を売る大きな市場もできたよ」
うーーーん。地元の人々にとって、幸せな変化であってほしい。

さて、フエサイはタイとの国境。

渡し舟に乗って、タイへ上陸です!

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