「ラオスの旅」to Know Lao(川口正志さん)第1回「旅人 – Lao traveler」」

「ラオスの旅」to Know Lao (川口正志) 第1回「旅人 – Lao traveler」

僕はとにかく行った事がない町を目指した。 地図を頼りに時には舟に乗り、赤土の道をトラックに揺られ。 ただそうして何時間もかけて辿り着いた町に何か特別なものがあるという事は無かった。 そこにはある意味見飽きたいつものラオスの風景とのんびりとしたラオスの生活があるだけだった。

(文・写真:川口正志)「ラオス全土の旅」(めこん、2016年3月発行】著者。本書&著者紹介
(C)川口正志、2023

ラオスの移動でトラブルはつきものだ。パンク、エンジン故障、事故、スタック。まあいつかは着くのだろう。僕はそう思うことにした。

国境、それは特別なものという認識は思い過ごしだったのかもしれない。 自転車を借りてむかった中国との国境へ続く道は延々とこんな風景が続いていたんだ。

どうしてこんなところに住もうと思ったんだろう。バスの窓から見えた尾根の上に広がる集落では筍を売っていた。

大人でも辛いラオスのバス。子供の目には何が写っていたのだろう。

ビエンチャンへと向かう船が小さな集落の岸に着くと村の大人たちに混じって子供たちも船を見にやってきた。カメラを向けると一度は恥ずかしがって逃げたのだが、しばらくすると戻って来てポーズをとった。

造りかけのゲストハウスの屋上で突然始まった旅行者同士のセッション。 曲はビートルズのブラックバード。 ラオスの風景をバックにとても贅沢な時を過ごした。「隣に座ってもいい?」そう言って彼女は僕の横に座った。 タイとの国境へと向かうバス。 今日、僕のラオスの旅は終わる。

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