- Home
- CAMBO DEAR(親愛なるカンボジア)(youmeさん), フォトギャラリー
- 「CAMBO.DEAR (親愛なるカンボジア)」(youmeさん)第6回「 キノミキノママプロジェクト【1】」
「CAMBO.DEAR (親愛なるカンボジア)」(youmeさん)第6回「 キノミキノママプロジェクト【1】」
- 2002/12/10
- CAMBO DEAR(親愛なるカンボジア)(youmeさん), フォトギャラリー
「CAMBO.DEAR (親愛なるカンボジア)」(youmeさん)第6回「 キノミキノママプロジェクト【1】」
キノミキノママプロジェクトと言っても全くほとんど誰にも馴染みがないと思う。
私は1999年~2000年にかけてプノンペンに滞在していたのだが、その時に写真を結構撮った。97年と98年にも訪問していたのだが、写真を真面目に撮る精神的な余裕もなかったし、個人的な思いを入れて写真を撮る事が出来たのはまさにこの長めの滞在の時だった。
カンボジアでの生活も終り日本へ帰ってみると、「もう暫くいいや」と思っていたカンボジアがすでに懐かしく、撮影した写真が家族のアルバム写真を見る様で感慨深くなるのだった。
常々「何か面白い事を」と思いながら生きているのだが、「これら写真を使いながら何か出来ないかなぁ」とその時も考えていた。そして、ふとプロジェクトのアイデアが浮かんだ。
自分の写真だけで一つの形として終らせるのではなくて、写真を見たイメージから音を作り、詩を書いてもらって一つの作品を創作すると言うアイデアだった。すでに顔見知りだったKFC(カンボジア・ラオスで年に一度子どものために着ぐるみショー公演をしている団体)のワタナベシンゴさんに呼びかけると、彼は「森象」と言うユニットで音楽活動をしており、お相手の津嘉田泰三さんに声をかけてくれた。
冬の寒い日に泰三さんから作品を受け取った。その後、写真と音に地元カンボジアの詩人に詩をつけてもらうのがいいのではないかという案が出て、私は写真と音を持ってカンボジアに行く事にした。2001年、カンボジアの正月前の事だった。
とは言っても、全くあてがない。カンボジア語は過去に勉強していても流暢に話せる訳でもなければ、読み書きも出来ない。詩人なんて探せるのだろうか?と思っていた時、偶然ボトム寺の前を通りかかると「Khmer Writers Association※」と言う看板が目に入って来た。行き当たりばったりで作品を持ってお寺内にある小さなオフィスを訪ねると、カンボジア式のくつろぎスタイルで(クロマーを腰に巻いただけの状態)会長のユー・ボーさんがいた。用件を話すと「君はクメール語が理解出来るのかね?」と問われたので、正直に「出来ません」と答えた。
「ですが、プロジェクトの真意は『作家』と言う枠組で創作活動に携わる者たち同士が、国境のない真の文化交流をする事なんです」と伝えると、「明日またここに来なさい。」と一人の詩人を紹介してくれる事になった。丁度、かつて日本語を教えていた生徒で日本に留学中のソティエンが正月休みで一時帰国していた。彼女の先生を是非詩人として紹介したいと言うので、里帰り中の彼女と時間を合わせて詩人の先生のもとを訪ねた。こうして私はそれほどてこずることもなく、2人の詩人と出会う事になるのだった。
※因みにこのKhmer Writers Association(クメール作家協会)については、東京外語大学のサイトに紹介文[カンボジア現代文学の今] があるので、是非、参照して頂けたらと思います。現在サイトで公開中の作品から、今日は最初の作品「人生の光」をご紹介したいと思います。写真をクリックすると音が始まります。(要real player)
『人生の光』
地上の生命は 愛を求めるもの
地上の生命は 愛を求めるもの
誠実な愛は許しあい 慈悲と思いやりに満ち
信じ合って 互いを気づかう貧しい時も 困難や障害が邪魔する時も
貧しい時も 困難や障害が邪魔する時もなにがあっても いつもあなたを想います
あなたと私の心は 死ぬまで変わらぬ貧しい時も 困難や障害が邪魔する時も
僕と君の心は 死ぬまで変わらぬ私達は苦楽の覚悟を決め 誠実な気持ちで
人生を共にする事を望み誓います貧しい時も 困難や障害が邪魔する時も
僕と君の心は 死ぬまで変わらぬ*《カンボジア語詩を邦訳しています》
写真キャプション:
5月 – 雨季のはじまる季節
我が恩師サム先生の結婚式に出かけた両人の田舎のコンポンチャム州にて
写真:youme.
詩:Hak Numan Borin
音楽:津嘉田泰三
翻訳:チャンナ、ワタナベシンゴ、youme.
朗読:シアン医師
カンボジア語詩の朗読はこちら
*「@niftyホームページグランプリ2002」準グランプリ [インターネットマガジン賞]に選ばれました。 来年(2003年)1月下旬、東京においてキノミキノママオフ会を開催予定しています。メンバー、ノンメンバーの方を対象にした会にする予定です。詳細は追ってお知らせします。
尚、二人の詩人の自作詩集邦訳版を制作したいと考えています。クメール語―日本語訳でお手伝いして下さる方の協力を募っています。メールでお問い合わせ下さい。Kinomikinomama@mail.goo.ne.jpまで。